菌から出てくる冬虫夏草

 冬は虫で夏には草になるように見えるために冬虫夏草と名付けられた生物がいます。本来はコウモリガの幼虫から発生するものを冬虫夏草とよぶのだそうですが、日本では昆虫やクモ、さらには菌核から形成されるものも冬虫夏草とよんでます。

 菌核の一種である麦角に形成される冬虫夏草にバッカクヤドリタケ(発音はバッカクでも表記はバクカクとすべきだと思うのですが)があります。11月24日に日本冬虫夏草の会から三名の方がヨシのバッカクヤドリタケの調査にいらっしゃいました。以前この菌を報告された弘前大学名誉教授の原田幸雄先生が案内をされたのですが私も同行してバッカクを採集してきました。


左はヨシの穂から形成された麦角、右は麦角の顕微鏡拡大図

 麦角からバッカクヤドリタケを出すためにはシャーレに濡れたペーパータオルを敷いてその上に麦角を並べます。

冬の間は冷蔵庫に入れておいて春に室温に戻すと、このインディカ種の米のような麦角からキノコが発生してくるはずなのでうまく行けばここで紹介します。