遺伝子組み換え植物の影響は・・・

皆さんは遺伝子組換え植物を見たことはありますか?

このように聞くと、食品用植物を想像して「見たことがない」と思う方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実は意外と身近な所で目にしているものなのです。

『Zoysia grass(日本名‘のしば’)』は、東アジアでよく使われている芝生の一種であり、除草剤耐性遺伝子を組み込んだものも作られている植物です。

今回私が紹介する論文では、このZoysia grassを用いた遺伝子組換え植物の土壌細菌への影響を調べていました。
タイトルは…
Effects of Field-Grown Genetically Modified Zoysia Grass on Bacterial Community Structureです。
掲載http://www.jmb.or.kr/journal/download.php?Filedir=../submission/Journal/021/&num=4355

この論文では、植物を植えている土壌内の微生物に、組換え遺伝子が遺伝子水平伝播を起こすのではないかということ、植物を植えることは微生物の多様性に影響するのか、ということを調べていました。

土壌微生物は培養が難しいため、土壌微生物についての研究は培養非依存的手法が用いられることがよくあります。

less than 1% of the microorganisms present in soil can be cultivated
文献内より引用

この研究でも、培養非依存的手法であるPCRを基盤にし、シークエンスやクローンライブラリを用いて検討していました。

遺伝子を組換えることは、昔に比べ簡単に行えるようになってきました。
それによって、私たちの生活に良い意味でも、あまり良くない意味でも影響が出てきているようです。

皆さんも、一度遺伝子組換えというものについて、考えてみてはいかがでしょうか。